恋愛のメカニズムを解き明かすための
心理学用語・理論の基礎辞典

あ行

愛着スタイルAttachment Style

幼少期の養育者との関係性に基づいて形成される、他者との絆の結び方のパターン。「安定型」「不安型」「回避型」などに分類され、パートナーへの依存度や距離感に強く影響する。

アイ・メッセージI-Message

「私(I)」を主語にして感情を伝える会話技法。「なんでしてくれないの?」と相手を責めるのではなく、「私はこうしてくれると嬉しい」と伝えることで、相手の防衛反応を防ぎ建設的な対話を促す。

アンダードッグ効果Underdog Effect

弱い立場や不利な状況にある人を「応援したい」「守ってあげたい」と感じる心理効果。恋愛においては、弱みを見せたり失敗談を話すことで、相手の庇護欲を刺激するテクニックとなる。

ウィンザー効果Windsor Effect

当事者が直接伝えるよりも、第三者を介して情報が伝わったほうが信憑性が増す心理効果。「〇〇さんがあなたのことを褒めていたよ」と人づてに好意を聞くと、直接言われるよりも強く意識してしまう現象。

エディプス・コンプレックスOedipus Complex

フロイトが提唱した概念。男児が異性の親(母)に無意識の性的愛着を抱き、同性の親(父)をライバル視する心理葛藤。恋愛において「父親に似た人を好きになる」傾向などの説明に用いられる。

オープン・クエスチョンOpen Question

「はい/いいえ」で答えられない質問のこと(例:「休日は何をしているの?」)。相手の発話量を増やし、会話を広げたり相手の価値観を知るために有効な質問技法。

か行

確証バイアスConfirmation Bias

自分の思い込みや仮説を肯定する情報ばかりを集め、否定する情報を無視してしまう傾向。「彼は私のことが好きに違いない」と思い込むと、目が合っただけで好意のサインだと解釈してしまう心理。

カクテルパーティー効果Cocktail Party Effect

騒がしい場所でも、自分の名前や関心のある話題は自然と聞き取れる現象。恋愛では、会話中に相手の名前を頻繁に呼ぶことで、無意識に相手の注意を引きつけ親近感を高める効果がある。

間欠強化Intermittent Reinforcement

報酬が「毎回」ではなく「たまに(ランダムに)」与えられるほうが、行動が消去されにくく執着が強まる現象。DVやモラハラ関係で、たまに見せる優しさによって離れられなくなる心理的要因の一つ。

帰属エラーAttribution Error

他人の行動の原因を推測する際、状況などの外的要因を軽視し、その人の性格などの内的要因を過大評価すること。「連絡が遅い(状況:忙しいかも)」を「私のことが嫌いだからだ(性格:冷たい)」と誤って結びつける原因。

ゲイン・ロス効果Gain-Loss Effect

いわゆる「ギャップ萌え」。最初から好印象(ゲイン)を与え続けるよりも、最初はマイナスの印象を与えてからプラスに転じた(ロス→ゲイン)ほうが、より強い好感を持たれる心理現象。

好意の返報性Reciprocity of Liking

人から好意を向けられると、自分も相手に対して好意を返したくなる心理。「好き」という気持ちをさりげなく伝えることで、相手も自分を意識し始めるきっかけになる。

さ行

サンクコスト効果Sunk Cost Fallacy

既に費やした時間や労力(コスト)を取り戻そうとして、損失が拡大すると分かっていてもやめられない心理。「3年も付き合ったんだから今更別れられない」と、将来性のない関係を続けてしまう原因。

自己開示Self-Disclosure

自分のプライベートな情報や感情を相手に伝えること。自己開示を行うことで相手の警戒心を解き、「返報性の原理」によって相手も秘密を話してくれるようになり、親密度が深まる。

嫉妬のストラテジーJealousy Strategy

わざと他の異性の存在を匂わせたりして相手の嫉妬心を煽り、自分への関心やコミットメントを高めようとする駆け引き。ただし、愛着スタイルによっては逆効果になり関係を壊すリスクもある。

初頭効果Primacy Effect

最初に与えられた情報が、後の印象にも長期的に影響を与える心理効果。「第一印象」の重要性を示すもので、出会って数秒〜数分の振る舞いがその後の恋愛関係を左右する。

シンクロニー現象Synchrony

好意を持っている相手と、仕草や表情、話すタイミングなどが無意識に一致する現象。意図的に相手の動作を真似る「ミラーリング」を行うことで、人工的にシンクロニーを作り出し親近感を与えることも可能。

スティンザー効果Stinzor Effect

会議や食事の席配置に関する心理効果。正面に座る相手とは対立しやすく、隣(90度)に座る相手とは親密になりやすいとされる。デートではカウンター席やL字席が推奨される根拠。

た行

単純接触効果Mere Exposure Effect

別名ザイアンス効果。興味のなかった対象でも、接触する回数が増えるほど好印象を持つようになる現象。恋愛初期において、短時間でも頻繁に顔を合わせたりメッセージを送ったりすることが有効とされる。

吊り橋効果Suspension Bridge Effect

恐怖や不安による心拍数の上昇(ドキドキ)を、一緒にいる相手への恋愛感情によるものだと脳が錯覚する現象。遊園地の絶叫マシンやお化け屋敷などがデートスポットとして有効な理由。

ドア・イン・ザ・フェイスDoor-in-the-Face

最初に断られる前提の大きな要求(例:高級ディナー)を出し、断らせた後に、本命の小さな要求(例:ランチ)を出す交渉テクニック。相手の「断って悪いことをした」という罪悪感を利用して承諾率を上げる。

同調行動Conformity

周囲の人々の意見や行動に合わせてしまう心理。デートスポット選びで「みんなが行っている場所」を選んだり、友人の評価によって恋人への評価が変わったりする現象に関係する。

な行

認知的不協和Cognitive Dissonance

行動と感情に矛盾が生じた際、不快感を解消しようと感情を修正する心理。「好きでもない人の頼みを聞いた(行動)」という矛盾に対し、「頼みを聞くほど実は好きだったのだ(感情)」と思い込む心理など。

ネームレター効果Name-Letter Effect

自分の名前に含まれる文字(イニシャルなど)に対して、無意識に好意を抱く心理傾向。相手の名前を呼ぶことの重要性や、似た名前の人に親近感を抱く現象に関連する。

ノンバーバル・コミュニケーションNon-Verbal Communication

言葉以外の手段(表情、視線、声のトーン、姿勢など)によるコミュニケーション。感情の伝達においては、言語情報よりも非言語情報のほうが重要であるとされる(メラビアンの法則)。

は行

ハロー効果Halo Effect

ある対象を評価する際、目立ちやすい特徴(外見の良さなど)に引きずられて、他の特徴(性格や能力)まで高く評価してしまう現象。「イケメン・美人は性格も良いはずだ」という思い込みの原因。

ピーク・エンドの法則Peak-End Rule

過去の経験に対する評価は、「最も感情が動いた時(ピーク)」と「去り際(エンド)」の印象だけでほぼ決まるという法則。デートの別れ際を最高のものにすれば、デート全体の印象が良くなる。

フット・イン・ザ・ドアFoot-in-the-Door

最初に承諾しやすい小さな要求(例:ペンを貸して)を受け入れさせ、その後に徐々に要求を大きくしていく交渉テクニック。人は一度承諾すると「一貫性を保ちたい」という心理が働くため、本命の要求(デートなど)が通りやすくなる。

ベンジャミン・フランクリン効果Ben Franklin Effect

「助けてあげた相手のことを好きになる」という心理現象。認知的不協和の一種で、「親切にした(行動)」のだから「相手は好意に値する人だ(感情)」と脳が認識を修正するために起こる。

保有効果Endowment Effect

自分が所有しているものに対して、客観的な価値よりも高い価値を感じ、手放したくないと感じる心理。付き合いが長くなるほどパートナーへの執着が増し、別れを選択しづらくなる要因の一つ。

ま行

マッチング仮説Matching Hypothesis

恋愛関係において、身体的魅力(ルックス)のレベルが自分と同程度の相手を選びやすく、またそのカップルは長続きしやすいという説。高嶺の花よりも、釣り合いの取れた相手に惹かれる心理。

ミラーリングMirroring

相手の仕草、表情、声のトーンなどを鏡のように真似ること。類似性の法則により、相手に「自分と似ている」と感じさせ、無意識の親近感や安心感を抱かせるテクニック。

メラビアンの法則Mehrabian's Rule

矛盾したメッセージが発せられた際、人が重視する割合は「言語情報7%、聴覚情報38%、視覚情報55%」であるという法則。ただし「話の内容より見た目が全て」という意味ではなく、非言語情報の一致が重要であることを示す。

や行

ヤマアラシのジレンマHedgehog's Dilemma

近づきすぎると互いの針で傷つけ合い、離れすぎると寒いという寓話から、人間関係における心理的距離の葛藤を表す言葉。親密になりたいが、傷つくのを恐れて距離を取ってしまう回避型愛着などに通じる。

予言の自己成就Self-Fulfilling Prophecy

根拠のない予言や思い込みであっても、人々がそれを信じて行動することで、結果的に現実となってしまう現象。「彼は浮気するかも」と疑って束縛し続けた結果、相手が疲弊して本当に浮気をしてしまうケースなど。

ら行

ラポールRapport

フランス語で「架け橋」の意味。セラピストとクライエントの間などに築かれる、互いに信頼し合い、心が通い合っている状態。恋愛においても、テクニック以前にこのラポール形成が不可欠とされる。

ランチョン・テクニックLuncheon Technique

美味しい食事を共にしながら交渉や会話を行うと、食事の快楽が相手への好意に結びつき、話がまとまりやすくなる心理効果。「連合の原理」を利用したもので、食事デートの有効性を示す。

リアクタンスReactance

自分の自由が脅かされたと感じた時に、反発して自由を回復しようとする心理的抵抗。「勉強しなさい」と言われるとしたくなくなる心理。恋愛では、追われすぎると逃げたくなる心理や、障害があるほど燃え上がる心理に働く。

ロミオとジュリエット効果Romeo and Juliet Effect

障害があったり、周囲から反対されたりするほど、かえってその目標(恋愛)に対する熱意が高まる心理効果。心理的リアクタンスの一種。

類似性の法則Law of Similarity

自分と性格、趣味、価値観、出身地などが似ている相手に対して好意を抱きやすいという法則。「共通点探し」が会話を盛り上げる鍵となるのはこのため。

わ行

別れの予兆Signs of Breakup

ゴットマンの研究による「離婚(破局)に至る4つの危険因子」。それは「非難」「侮辱」「自己弁護」「逃避(無視)」であるとされる。特に「侮辱」は関係修復を最も困難にする。

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